学術誌や専門誌の記事は、誌面完成後もWebで読める形へ整える作業が続きます。現在はJ-STAGE掲載用のデータも制作しています。印刷用のデータがオンラインで公開されるまで、実際の工程を示します。
J-STAGEは、科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルのプラットフォームです。記事を掲載するには、読むためのPDFとともに、タイトルや本文などをシステムが読み取れる形で用意します。
誌面から掲載用の情報を取り出す
最初に、InDesignなどの制作データからJ-STAGE掲載用のPDFを作ります。続いて、同じ誌面データから文章をRTF(リッチテキストフォーマット)形式で取り出します。RTFを使うのは、上付き文字や下付き文字など、学術記事で大切な文字の体裁を残して受け渡すためです。
取り出した文章は、J-STAGEが提供するWordテンプレートへ配置します。タイトル、著者名、本文、参考文献などに専用の設定を付け、文章のどの部分がどれに当たるかをシステムが判別できるようにします。見た目を合わせるだけでなく、記事の情報を分ける工程です。
掲載先を準備し、XMLデータを作る
次に、専用IDでJ-STAGEの編集登載システムにログインし、掲載先となる巻・号と、記事を分類するセクションを作成します。この作業では、この掲載先を先に用意してから全文XML作成ツールで登載データを作ります。
全文XML作成ツールにも専用IDでログインし、設定済みの原稿を変換します。XMLは、たとえば「ここはタイトル」「ここから本文」といった記事の意味を、コンピューターが扱えるように記録したデータです。作成後は、表示内容や項目を確認します。
記事を配置し、公開条件を確認する
完成した登載データをJ-STAGEの専用画面からアップロードし、各記事を該当するセクションへ移動します。その後、記事ごとに閲覧に関する設定と公開日を確認します。公開時期や設定内容は依頼主に確認いただいたうえで反映します。
記事数が増えると、PDF、文章、掲載先、公開設定の照合も増えます。一つひとつの情報を確かめながら、指定された日に確実に公開できるよう作業を進めています。
J-STAGE公開までの9工程

誌面を完成させる作業と、記事を読み、公開できる状態に整える作業はつながっています。普段は目に見えにくい掲載までの工程も、ひとつの記事を届けるための大切な仕事です。